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2024/04/30

引き続き Creality K1 で試行錯誤


ちょっと ABS フィラメントで作りたいものがあって設定を詰めるためにキャリブレーションキューブを量産してしまっている。

それなりのものは作れるのだけど、もう少し精度を上げたい所。どうしても多少の反りが発生するのを抑えきれない。いわゆるワーピングという現象。結局一番効果があったのはビルドプレートの表面を1000番くらいのサンドペーパーで良い感じに荒らす事とオブジェクトに大きめのブリムを付ける事。

これ以上を望むとするとエンクロージャー内部にヒーターを仕込んで温度を上げる事かなあ。やっぱり ABS は扱いにくいし PLA で何とかするかと諦めかけてる。

ついでにこれ。
曲線はベッド(奥行の中央)を前から見た時の高さの歪み。
色は青→赤に向けて温度を上げて行った場合の変化。

ベッドはアルミなのでスチール製のフレームとの熱膨張率の差で反るという話もあるのだけど、それだけではないような気がする。そもそも高さのセンサー自体も温度でドリフトしないのだろうか?

ファームウェアのバージョンが上がっていつの間にか(時間短縮のため?)印刷の度にベッドレベリングをやり直さなくなったみたいだけどフィラメント材質を変えて温度プロファイルが変わったらレベリングをやり直さないと駄目じゃないかなと思っている。

posted by g200kg : 2:24 PM : PermaLink

2024/04/19

Creality K1 のベッドのレベリング


3D プリンタのプラットフォームのレベル調整というと少し前まではなかなか厄介な代物でしたけど、今はソフトウェア的に補正を行うオートレベリングを搭載した機種が多くなりました。ノズルとベッドの間に紙をはさんで硬さを確認しながらマニュアルで調整していた時代から進歩し、Creality K1 も当然オートレベリングなのでレベル調整についてはそれほど気にしなくてもあまり問題にはなりません。とは言えある程度はちゃんとベッドの水平が取れている必要があり Creality 公式に物理的にベッドのレベル調整を行うチュートリアル動画が公開されています。

Service Tutorial K1 How Bed Leveling

この動画を見るとわかるとおり、物理的にベッドのレベル調整をするのは割と面倒そうです。なんとなくのイメージですが物理的な調整でベッド各部の誤差を 1mm 以下程度に抑えれば後はオートレベリングのソフトウェア的な手法で補正すれば良いというのが本来の姿ではないかと思います。

しかしですね。どうせならもっと高精度に物理的な調整を仕上げたい、と。こういうのが 3D プリンターの沼の入り口だとは思うのだけど、気持ちはわかりますね。3D プリンターで何かを作ろうと思っていたはずなのに気が付くと 3D プリンターを作っていた、みたいな話はよくあるようです。


現状を確認する方法

まずは Chrome や Edge 等のブラウザで Creality K1 の IP アドレスにアクセスします。単にブラウザで 192.168.xxx.xxx 等の割り当てられている IP アドレスにアクセスすると Web インターフェースが表示され、その中に Bed Mesh の表示があります。これがベッドの現在の物理的な傾きで X=0、Y=0 の点が前面の左端、全体で 5 x 5 の25点が計測された結果となっています。

このデータを基にオートレベリングの補正が行われるわけです。この辺りは SSH で K1 にルートアクセスして設定を弄ると計測点数を変えたり補間のアルゴリズムを変えたりもできるようです。

スペーサーを追加する

このグラフでは左右方向では左が、前後方向では前方が高くなっています。一番高い点と低い点で 1mm 近い差があるようなので、できれば物理レベルでもう少し水平に近づけておきたい、と言う事で、おすすめはこれです↓。

Bed Shims - Fits Creality K1 and K1 Max

これは 0.1mm 刻みの厚さを持つスペーサーです。ベッドは前方の左右と後方の中央の 3 点で支えられていますので、一番高い点に合わせて差を埋めるようにスペーサーを噛ませる事で全体の水平度が改善されます。なお材料は熱に弱い PLA は避けた方が良さそうです。

ベッド内の凸凹

スペーサーを噛ませて、今回はついでにベッド内の高さの誤差を埋めるため、テープで凹んでいる所を多少埋めてみました。ヒートベッドに直接貼るので耐熱性のあるポリイミドテープが必要だと思います。厚さは 0.05mm 程度なのでまあざっくり 0.1mm 程度に誤差が収まれば充分ですかね。

こうやって再度オートレベリングを実行した結果が下の図です。これくらいの誤差はベッド上で造形物をごそごそやっているだけで変化してしまったりするのでこんなもんじゃないでしょうか。大体誤差 0.1mm 範囲内に収まっています。

posted by g200kg : 6:36 PM : PermaLink

2024/04/08

Creality K1 のフィラメント折れを対策したり色々


現在私が 3D プリンタのメイン機として使用しているのは Creality K1 です。ほぼ 1 年ほど使いましたが、今でもかなりの人気機種です。

プリントヘッドの奥の方にあるヒートシンクファンというちょっとやっかいな部分の故障があって修理に手こずったりもしましたが、それ以外は重大な問題もなく十分に満足できるものでした。敢えて指摘するなら、フィラメントを供給する PTFE チューブ内で時々フィラメント折れが発生して印刷に異常が発生するのが問題ですかね。

これもまあ原因はわかっていて、良好な状態のフィラメントなら問題はないのだけど多少湿気を吸って脆くなっているものなんかを使っていると折れてしまう、という事です。というのも K1 は本体をできるだけコンパクトにするためエクストルーダーに接続する PTFE チューブの取り回しのカーブが結構きついんです。

下の写真、エクストルーダーへの入り口のカーブ、

それから背面のフィラメントセンサーからトップカバーを抜けて本体内に入る部分、ですね。

脆くなったフィラメントを使っても良い事はないので、使う前にちゃんとフィラメントドライヤーで乾かすというのが正しい対処法だとは思いますが、ついついそのまま印刷しようとした結果余計な手間がかかるのは嫌なのでこの急カーブをなんとか対策します。

エクストルーダー入口のカーブは PTFE チューブをガイドチェーンから抜いてチェーンの上側に適当に結束バンド等で固定すれば単純簡単で微妙な違いですがカーブのストレスは改善できます。これは適当に工作してますけど K1 MAX なんかでは最初から同じように PTFE チューブはガイドチェーンの上側に付いているという話を聞いた事があるので、対処としては順当なのではないかと思います。

また、チューブのアプローチを更にもう少し高い位置からにしたい場合、トップカバーが邪魔になりますのでカバーに下駄を履かせるためのパーツを有志の方々が思い思いに作成してデータを公開しています。「Creality K1 riser」とかで検索するとたくさんでてきます。

私の場合は凝ったものはいらなくて少しだけ下駄を履かせるために一番シンプルそうなものを使用しています。なお、この下駄は置くだけだといまいち安定しないので、各パーツを接着したのですが、接着時のパーツ間のギャップの調整はちょっと面倒です。

さて、それからフィラメントセンサーから本体内への導入部分ですが、これはセンサーを本来の状態から少し斜めに固定し、ついでにフィラメントホルダーを側面に付けるという方法を取る事にします。本来はフィラメントホルダーは背面にあるのですが、これはフィラメントの入れ替えのための余裕を考えるとそもそもあまり壁の近くに置けなくなるのでレイアウト的にもホルダーを側面にするのは使いやすくなります。それに必要なパーツの類も有志の方々がデータを公開されています。さすがは人気機種ですね。

フィラメントセンサー部は下の写真。なお、センサーとその出口のガイドのネジ穴の位置がちょっと合わなかったのでセンサー出口の出っ張りを削り取ったりはしました。これは K1 のロットの違いとかで微妙に形状が変わったりしているのかも知れません。固定するためにM3の短いタッピングネジが必要です。

これはサイドのフィラメントホルダー。側面に引っ掛けるだけという単純で使いやすい設計。ホルダーの軸は本来背面に付ける純正のものを使用します。ホルダー軸との篏合部は多少調整は必要かも知れません。

ついでに、これは実際に問題を起こした事はないのだけど余分にエクストルードしたフィラメントをサイドファンが吸い込んだりしそうなのでこれも追加しました。サイドファンプロテクターです。


使用したデータは次の通りです。ちょっと気になる部分がある時に探せば対策部品が沢山あるのが人気機種の良い所ですね。

トップカバーに履かせる下駄
https://www.printables.com/model/560850-minimalist-k1-riser/

フィラメントセンサーの斜め固定用
https://www.printables.com/model/535464-creality-k1-filament-sensor-mod/

側面のフィラメントホルダー
https://www.printables.com/model/673377-upgraded-side-spool-holder-k1k1-max-remix/

サイドファンプロテクター
https://www.printables.com/model/513040-side-fan-protector-for-creality-k1/

posted by g200kg : 10:44 AM : PermaLink

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