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2019/03/22

「ヨンナナ」プラグについて


エレキギターなんかに繋ぐ 6.3mm のプラグの事、何て呼んでますか? 音声用のプラグとしては最近ではポータブル機器を中心に 3.5mm 径の「ミニプラグ」とか 2.5mm 径の「ミニミニプラグ」の方が見かける機会も多いですが、あれの大きい奴、直径 1/4インチ(6.3mm)の奴です。

おそらくですが「標準プラグ」という呼び方が一番一般的なのではないかと思いますが、「モノフォン」とか「2P(ツーピー)」とか言う人もいるかも知れません。そして他の呼び方として特に PA 関係では「ヨンナナ」という言い方が一部ではされています。

これはパッチベイなどで使われていた同じ6.3mm径の「110号(ヒャクトウ)」プラグとの取り違えを防ぐため「ヨンナナ」と呼んでいた、とここまではまあまあ知られた話ではあります。

という事で「偏ったDTM用語辞典」でも「"ヨンナナ"というのは標準プラグの事」というような説明を付けていたのですが、いやそうじゃないよ、っていう話があってその底なし沼のような歴史について@linear_pcm0153さんより知見を得たのでとりあえず修正しましたが、これは掘っていくと相当なカオスになっているようです。せっかくなのでもう少しだらだら書いてみます。
偏った DTM 用語辞典 : ヨンナナプラグ

何で「ヨンナナ」なのかという根拠として大きなものは古い JIS 規格、JIS C 6501 に定義されていた「47号プラグ」なのですが、ここで定義されたプラグというのが実は現在広く使われている「標準プラグ」とは少し違って、先端が傘のような形ではなく丸っこい球に近い形になっています。

今となっては滅多に見る事はないと思いますが、あーそう言えば昔、先端が丸いプラグがあったなあ...あれが本物の「ヨンナナ」プラグだったのか!! なんてちょっと感慨深いです。

この 47 号プラグの件については、@linear_pcm0153さんが相当深い所まで資料を発掘されていて、現在、1907年のウエスタン・エレクトリックのカタログに「No. 47 Plug」が載っている、という所まで行きついているようです。いやいや、100年以上前なのか!って凄い所まで繋がってますね。

なお「47号プラグ」を定めていた JIS C 6501 は1973年に既に廃止されており、現在の「標準プラグ」に相当するものは JIS C 6560 に定められてる「大型単頭プラグ」になりますが、この両者には特に継承関係等はありません。よく見るとこれだけ先端の形状が変わっているのだから同じプラグであるはずがないですね。

と言うか、47号プラグの丸い形状って今見ると引っ掛かる部分が少なくて凄く抜けやすそうです。それで抜けにくくするために今の形状に改良されたという事なのでしようか。

おそらく巷で使われている所ではまだまだ使われている「ヨンナナ」という言葉ですが、実際問題としては、「標準プラグ」を指して符丁的にそう呼んでいると思って間違いはないと思いますが、やっぱり私としては「標準プラグ」派かなあ。ただし 47 号プラグは 2 極 (TS) 限定なのに対し「標準プラグ」は 2 極 (TS)と 3極 (TRS) を含む名前なので 2 極限定だと標準TS とか? ちょっと悩む所ではあります。

posted by g200kg : 10:46 PM : PermaLink

2019/03/05

Web×Iot メイカーズチャレンジ東京ハッカソンが開催されました。


先週末、3月2日(土)、3月3日(日) の2日間、Web × Iot メイカーズチャレンジ東京ハッカソンが開催され、メンターとして参加してきました。

Web×Iotメイカーズチャレンジ公式ページ

このイベントは2017年から始まった総務省主催のイベントで、30才未満のエンジニアを対象に IoT システム開発の若手エンジニア育成を目的として札幌から沖縄まで全国9ヶ所で順次開催されています。私がメンターをやったのは東京で開催されたハッカソンですが、既にその1ヵ月程前に事前の講習会とアイデアワークショップが2日間行われており、一応チーム分けと作りたいものが決まった所からのスタートです。

制御系は Web 技術ベースで IoT システムを構築できる「CHIRIMEN for Raspberry Pi」が基本になっています。

ハッカソンの実質の作業時間は1日半程度ですので、この時間内に動くものを完成させるのは簡単ではありません。各チーム想定外のトラブルに遭遇しつつの開発になります。

会場は虎ノ門、KDDI Digital Gate、綺麗な会場です。

スイッチサイエンスさん協力の元、ある程度の材料は会場内でも調達できるようになっています。

各チーム作業開始です。4~5人のチームが8チームあります。

半田付けは専用の半田付けコーナーが準備されています。

短時間でデモシステムを形にするため、段ボール工作スキルも必須です。

部品の一例、モーターとタイヤ。何ができるんですかね?

ペットボトルとか、とにかくあるものを使って形にしていきます。近くにある 100円ショップもかなり活躍した模様です。

おやつタイムに差し入れされた Web×Iot カステラ。文明堂ってこういうのも作ってくれるらしい。

途中でスペースXの打ち上げ時刻になったので突然実況を始める某氏。「スペースX は IoT だ!」と熱弁(まあそういう事にしておこう)。

調達してきた怪しげなセンサーを改造中。

2日目に入り開発も佳境に入ってきました。プログラムとセンサーとアクチュエータを繋ぎ合わせて行きますが、思ったように動かないという事も良くあります。

なかなか綺麗に描かれたプレゼン用ボード。成果をプレゼンするまでがハッカソンなのでプレゼン大事です。

さて、成果発表の時間になりました。

こちらのチームでは天候等の条件によって屋根が開く犬小屋。ちょっと予想外の動き。

これは猫背になっているのを検出して喝を入れる装置なのだけど、センサーの見た目がサイバーな感じでインパクトがあります。

体重計と連動してダイエットさせる冷蔵庫。

飲み過ぎを警告してくれる人形。

インテリジェントなトイレ。

寝落ちした時に優しく寝かせてくれるシステム。寝たら起こすのではなく、そのまま寝かせてしまうのがポイント。目が覚めた時にどうなっているかは知らない。

玄関の出入りをカウントしてGPSで追跡する装置。

金属センサーを繋いで地雷探知システムを作ったチームもありました。

審査委員長は村井純先生です。最優秀賞は「寝落ちした時に優しく寝かせてくれるシステム」でした。

最後は懇親会です。ハッカソンと言えばピザですね。

プラットフォームとなるシングルボード PC にセンサーやアクチュエーターを組み合わせて様々なシステムを簡単に構築できるというのが IoT と呼ばれるものの目指す所ではあるのですが、それでも1日半程度の時間でちゃんとデモができるものを組み立てるには、どこを切り捨ててどういう風に作るかの見極めが大事ですね。

このハッカソンでは、かなり大き目のメカ的な造作を動かしたいという話が多めで、その辺の工作に苦労しているチームが多かったようです。ソフトウェア関係等では、発表時間が迫ってきた所で突然動かなくなる等、ありがちなトラブルも色々あったようですが、まあ、そういうものですよね。トラブルも良い経験なのではないでしょうか。実際、最優秀賞を取った寝落ち検出システムも発表時間が迫るほどに不具合が多発して最終的にはかなり人力に頼りつつのデモとなりました。

なお、今回を含め全国各地で開催されたハッカソンの最優秀作品は、3月8日(金)にベルサール神田で行われるスマートIoT推進フォーラム総会で展示されます。

スマートIoT推進フォーラム総会

posted by g200kg : 11:49 PM : PermaLink

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