2013/09/26 (2013年09月 のアーカイブ)
Sonarはどうなっちゃうんだろうね?
数日前RolandがDAWソフトSonarを開発するCakewalkをGibsonに売却という結構衝撃的なニュースが出ていて、関係各所で話題になっていたんですが、どちらかと言えば悲観的な論調が目立っているみたいです。Gibsonと言えばエレクトリックギターの名門中の名門ではあるのですが、15年ほど前に同じくDAWソフトVisionを開発するメーカーであるOpcodeを買収したもののうまく行かず、結局消滅させてしまったという「前科」があるのでどうしてもそれが頭にちらつく人が多いようです。今回は、同じく春頃に買収した日本のTASCAMのブランドでハンドリングするという事なので多少は違うのかも知れませんが、TASCAM自身もかつてサンプラーの著名製品であるGigaSamplerを買収してあまり成果を出せなかったという過去を持っていて、それを不安要素として言及する人も結構います。
そんな中、今度はSonarの新製品、SonarX3についての情報が出てきています。情報元はCakewalk Forumsです。これはまだ「by Roland」で出るんだよね? なんか急展開すぎてよくわからない。
forum.cakewalk.com/Sonar-X3-Producer-Upgrade-m2892310.aspx
これによると、
- Skylightインターフェイス・カラーカスタマイズ
- Melodyne Essential内蔵
- QuadCurve EQ/Analyzer
- 付属プラグイン関係 AAS-LoungeLizard / XLNAudio-AddictiveDrums / AAS-StrumAcoustic / NomadFuctory-BlueTubesFX / Tone2-BiFilter2 / ProChannel-TapeSim / NomadFactory-BlueVerb 等、トータル58FX
- YouTube エクスポート
- クラウドGobblerのサポート
- VST3サポート
VST3サポートは、ようやくという感じではありますが。
Melodyneの内蔵はこれまでSonarでピッチ編集機能を提供していたRoland製V-Vocalの代替の意味合いが強いと思われ、Rolandとは離れて行くんだね、という雰囲気がそこはかとなく出ています。今まで作ってきたソングデータはどうなっちゃうんだよ、という点に関してはCakewalkの人から「以前のバージョンでV-Vocalがインストールされていればそのまま使用できます」という趣旨の書き込みがありますので、ソングデータが開けなくなるという事ではないと思いますが、完全に乗り換えの体勢ですね。
そしてMelodyneに関しては、単にプラグインが付属しているという話ではなくて、Celemony ARA (Audio Random Access) というインターフェースをサポートしていますのでSonar内で統合的に動作する仕組みになるようです。このARAはPresonusとCelemonyが開発したものでStudioOneでも同じ仕組みを使ってDAWに統合されたピッチ編集を実現しています。このあたりはかなり力が入っているぽいです。
個人的にはこのARAという仕組みは気に入っているんですが、要するにプラグインからホストのオーディオデータにランダムアクセスできるようにするもののようで、これを使うと極端な先読みや2パス処理とかが可能になって、リアルタイムでエフェクトをかける以上の事が色々できそうです。
惜しい所はMelodyne EssentialなのでMelodyneの和音編集DNAなどが搭載されていないという事でしょうか。SonarとしてはARAをサポートしているのでフルバージョンのMelodyneを持っていればそっちが使えるのかも知れません。付属のessentialが無駄になりますけど。
という事でSonarユーザーにとっては色々激動の時期の模様です。
Posted by g200kg : 2013/09/26 07:05:23