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2022/04/27 (2022年04月 のアーカイブ)

ハーディーガーディーのキットを作ってみた

「ハーディーガーディー」という楽器をご存じでしょうか。
変な楽器好きの人なら知っているとは思いますが、ざっくり言えばバイオリンのような弦楽器がちょっと変な方向に進化したような楽器で、弓で弦を弾く代わりに手回しハンドルで回転する円盤で弦を擦って持続音を出す事ができる楽器です。また、メロディを演奏する旋律弦に加えて持続音を出すドローン弦が張られていますので、音の雰囲気としてはバグパイプにも近い部分があります。

かなりレアな楽器なので本物にはなかなかお目にかかれないのですが、アマゾンとか楽天でハーディーガーディーの模型が売られているのを時々目にします。これは、単にハーディーガーディーをかたどった置物的なものだと思って完全にスルーしていたのですが、ちゃんと組み立てれば一応音が出る状態になると最近知って買ってみました。ミニチュアですけど、なかなか凝った装飾がされています。


ユーギアーズ、ハーディーガーディー。パッケージはこんな感じです。

中身はレーザーカットされたMDF材が8枚。他に可動部分に塗るロウとか弦とか弦を擦る部分用の松脂。結構なボリュームです。

これ、メイドイン・ウクライナなんですね。ちょっと情報を追ってみると、ユーギアーズの社員は現在無事だけど、生産活動は停止中という事らしいです。

説明書は一応日本語も書いてありますが、そもそも文章はほとんど無くて基本的には図で説明されています。ところどころロウを塗る場所とかペーパーで磨く所とかのアイコンが付いているのでアイコンの意味だけは把握しておいた方がよさそうです。

また、組み立てに使用できるハンマーのキットが付属しています。本番に取り掛かる前のチュートリアルとしてちょうど良い難易度です。ただしさすがにハンマーとして使うには軽すぎなので別途ゴムハンマーとかがあった方が良いかも。というか最初はハンマーを組み立てるためのハンマーが無いですね。

という事で組み立てていきます。ボディ部分ができた所。接着剤も使わず、すべて木製部品をハメ込んで行くだけです。結局、レーザーカットされたMDF材から部品を取り出すのが一番手間がかかり、非常に繊細な構造なので変に力を入れると部品を壊しそうです。

左手で操作するキー部分。

完成しました。気楽にプラモデルを作るくらいの感覚でざっと数日分くらいの作業量ですかね。


では実際にテストします。ぎりぎり音が出ているという感じですが、弦がただのテグスっぽいのでこの辺をちゃんとすれば音色としてはもっと良くなりそうな気はします。

一応音は出ますが、本格的な楽器として使う感じのものではありません。しかしこれだけ可動部分のある構造物を木製パーツのハメ込みだけで接着剤も使わず作れるというのはなかなか凄い事だと思います。構造を知るという意味ではとても興味深いものでした。




ではここでお気に入りのドイツのハーディーガーディー奏者、Patty Gurdy、ソロライブ版。 ハーディーガーディーの妙にメカメカしい感じが凄く良い。

ドイツの中世風コンセプト(メディエバルメタルと言うらしい)のバンド、ダルタニアンとのコラボ。良い。


Posted by g200kg : 2022/04/27 12:35:38