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2023/05/28
GerberZipper v1.0.8
KiCad で基板業者に必要なデータをまとめてzipするプラグイン、GerberZipper が最新版 KiCad 7.x で動かなくなっていたのを回避するプルリクを木下研究所のさいたさんが送ってくれていたのでマージしました。ありがとうございました。
プラグイン環境で今まで使えていた一部プロパティが KiCad 7.x で削除されているらしいのが原因らしく、他のプラグインでも問題が起こっているようです。
ついでにメタデータをアップデートしてバージョンを1.0.8としたので KiCad のプラグインマネージャから入れられるようになっているはずです。入れ方については下のリンクを参照してください。
https://www.g200kg.com/archives/2022/03/kicad-6-pcm.html
この辺りの仕様はまだそこまで確固としたものではなく流動的な部分がありそうな感じはします。KiCad プラグイン関連はドキュメントがまだまだ整備されていないので作るのは試行錯誤しつつだし、プラグインマネージャもやたらと面倒な構造が必要でもう少しシンプルにしてほしい所ではありますね。
posted by g200kg : 1:07 AM : PermaLink
2023/05/26
3Dプリンターでツマミを作る
ローレット軸のポット用のツマミを3Dプリンターで作る時、分解能的に光造形じゃないと無理だろうなと思って、そもそもFDMプリンターでは試していなかったのですが、試行錯誤した結果、FDMプリンターでもまあまあ安定していい感じのツマミが作れるようになりました。
材料はオレンジ色がPLA、クリアがPETGです。
光造形の場合は分解能的にはまったく問題ありませんが、造形が終わった直後には良い感じに軸にはまっていたツマミでも二次硬化させると微妙に収縮するので、その収縮分の見積もりが面倒です。これはこれで、実際にポットの軸に付けた状態で二次硬化させるとなんとかなったりはするのですが。
そしてFDMプリンターでの造形の場合、18Teethのローレット軸に対して完全にフィットする形状は無理があるので6Teeth分だけで軸を保持する形にして、残りは隙間を開けて足りない弾性を補う感じで作るのがポイントです。これであれば標準的な0.4mmノズルを使っても無理なく造形できます。
スライサーで見た時、下のような構造になっています。穴形状の大きさに関してはCuraベースのスライサーで「水平展開(Horizontal Expansion)」「穴の水平展開(Hole Horizontal Expansion)」の指定が影響しますのでそのあたりの設定も確認する必要があります。
なお、PLAフィラメントでも作れなくはないですが弾性は期待できないので丁度良い硬さで篏合するツマミを作るにはサイズの微調整がかなりシビアです。PETGなどのある程度弾性が期待できる材料だとかなり楽になります。
posted by g200kg : 9:22 PM : PermaLink
2023/05/22
最近のFDM方式3Dプリンターの動向
現在使っている3Dプリンターとしては、FDMと言われる熱溶解積層方式のものと光造形方式のものを適当に使い分けていて、結局FDMの方がお手軽な感じで使えるので稼働率はFDM優勢になっています。
それで今使っているFDM機がもう5年前の機種なので、そろそろ新しい製品をちらちらと物色したりはしているのですが、どうやらこの2023年春から夏にかけて、かなりFDMプリンターの新機種の展開が熱い事になっているようです。
曰く、「従来機種より5倍高速」とか、とにかく超高速を謳う機種が各社から目白押しです。
確かに今までのFDM機はちょっとしたものでも造形に一晩かかったりして、それが使い方のネックにはなっていたのですが、これが5倍高速になったらかなり使い方が変わってきそうではあります。
それにしても良くこうも同じタイミングで各社から出てきますね。
Qidi X-Smart3
私が使っているX-Smartの最新版。最大印刷速度500mm/s。予約受付中。Qidiはサポート窓口がとにかく優秀で手厚い。私も何度かお世話になりました。https://jp.qidi3d.com/products/qidi-x-smart-3
Bambu Lab P1P
最大印刷速度500mm/s。Kickstarterで話題になった奴の廉価版。複数色が使えるのが売りだけどエクストルーダは1つでフィラメント切り替え時に色が混ざった部分は捨てながら切り替えるという事らしく実用上は厳しいかも。Clearity K1
最大印刷速度600mm/s。Clearityは家庭用3Dプリンターで日本で一番ユーザーが多いんじゃないかという気がするEnder3シリーズを出している会社。Bambu Lab P1P の対抗として出してきたと噂されている高速印刷機種。予約受付中。https://www.creality.com/products/creality-k1-3d-printer
大体どれもCoreXYという駆動系を軽量化できる構造+エクストルーダー部を可能な限り軽量化するという戦略で速度を稼いでいるようです。高速化すると振動が発生するのでモーターの駆動側でブレをキャンセリングして振動抑制するというあたりが最近のトレンドっぽい。まあ速度と品質はトレードオフなので速ければ良いという事ではないのですが。
↓CoreXY構造の説明
https://hackaday.com/2019/11/12/core-xy-explained/
他にもCoreXYではないけど気になる機種も色々でています。
Snapmaker J1
Kickstarterで話題になった高速デュアルエクストルーダー機を改良した奴。350mm/s。新開発のエクストルーダーによって高速化されている模様。https://shop.snapmaker.com/ja/products/snapmaker-j1-independent-dual-extruder-3d-printer
Prusa mk4
チェコの会社、Prusaからはこの春突然の新機種mk4が発表。日本ではまだ入手したというような話がないようですが、期待している人は多そう。見た目にはごく普通の廉価な機種に見えますが、設計が完全にオープンで数多のクローンが販売されているリファレンスとなっている機種の最新版になります。https://www.prusa3d.com/product/original-prusa-mk4-2/
Anker make m5
Ankerと言えばモバイルバッテリーとかで評価が高いメーカー。やはり高速印刷を謳い文句にしています。あのAnkerがついに3Dプリンターに参入という事で期待している人も結構いる。どちらかと言えばエントリー向けぽい。https://www.ankerjapan.com/pages/anker-make
という事でどれにしようか随分迷ったんだけど結局Clearity K1の予約をポチりました。出荷は6月にやる模様。さてその実力はどの程度か期待。
posted by g200kg : 1:25 AM : PermaLink
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