偏ったDTM用語辞典
dBu ディービーユー
音響機器などで用いられる信号の大きさ(電圧)の単位。 dB(デシベル)に基準点として 0dB = 0.775V (ボルト) を設けたものである。 即ち0dBuは0.775Vであり、-6dBuならその約半分の0.388Vとなる。 ちなみに0.775Vは600Ωで終端した場合に1mW (ミリワット) となる電圧である。
dBuからV(ボルト)への変換は、\( 10 ^ {dBu / 20} \times 0.775 \) となる。
逆にVからdBuへの変換は、\(20 \times log_{10}(V / 0.775)\) である。
V = pow(10.0, dBu/20.0) * 0.775
dBu = 20.0 * log10(V/0.775)
dBu | V |
6 | 1.5463 |
5 | 1.3782 |
4 | 1.2283 |
3 | 1.0947 |
2 | 0.9757 |
1 | 0.8696 |
0 | 0.7750 |
-3 | 0.5487 |
-6 | 0.3884 |
-10 | 0.2451 |
-20 | 0.0775 |
-30 | 0.0245 |
-40 | 0.00775 |
-50 | 0.00245 |
-60 | 0.000775 |
紛らわしい単位として dBv / dBm / dBV などがある。 このうち、 dBv(vが小文字)は古い名前でありdBuと同じ単位である。dBmは電力の単位なので厳密に言えば違う単位だが音響機器の入出力レベルについて使われるケースでは大抵は混用されているだけで dBuと同じ意味で使われている(インピーダンスが600ΩであればdBmとdBuの値が一致する)。 dBV (vが大文字)は民生機器などで用いられる 0dBV = 1.0V (ボルト)の単位である。 変遷としては下のような経緯を経ている。
dBm :dBmが電圧を指す意味で使われる場合があったが、電力の単位なので電圧の表記に使うのは厳密に言うとおかしい。
↓
dBv :電圧の単位としてdBmと使い分けられるようになったが、dBVと紛らわしい。
↓
dBu :現在使用されている単位
業務用機器のライン入出力は通常 +4dBu となっている。これを V (ボルト)で表せば1.228 V となる。 一方民生機器のライン入出力のレベルについては明確な規定がないが、-10dBV程度が用いられ、これをV(ボルト)で表せば 0.3V 程度となる。
dB (デシベル)から派生した単位だが読み方は「ディービーユー」が一般的である。 ただ、話し言葉としては単に「ディービー」や、「デシベル」と言ってしまう事もある。 これは、dBuの話をしているのが明確な場合以外に相対値の話の場合がある。 dBu間の相対値はdBで間違いではなく、+4dBuから6dB下げると-2dBuになる、という言い方ができる。