Linear Phase リニアフェーズ

フィルターの特性の１つであり、周波数に対する位相特性が直線で変化する事をあらわす。一部のフィルターやイコライザーなどの製品では「リニアフェーズ」である事を特長として謳っている。また、スピーカーシステムにおいても「リニアフェーズ」を特長とする製品があり、これは、使用するフィルターだけでなく、スピーカーユニットの配置などを工夫して位相特性が乱れないように考慮したものである。

リニアフェーズである事によって信号の波形のエッジなどが崩れるのを抑える効果があり、リニアフェーズでないものとの比較では信号波形的に見ると大きな違いになってあらわれる（ただし、人間の耳は位相のずれに対して比較的鈍感であり、波形の見た目の違いほどには聴感上の差異は生じない）。

技術的には、フィルターの「群遅延特性（Group Delay）」と呼ばれる特性が位相特性を微分したものであり、「リニアフェーズ」と「群遅延一定」は同義である。

デジタルフィルターでリニアフェーズを実現するにはFIRフィルターと呼ばれる方式が用いられる事になり、CPUの負荷はリニアフェーズでないものに比べて高めになる事が多い。