偏ったDTM用語辞典
VocaListener ボカリス ぼかりす
ヤマハと産業技術総合研究所(産総研)の共同研究による、「ユーザ歌唱の歌い方を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステム」の名称。日本語ではカタカナの「ボーカリスナー」または略称としてひらがなでの「ぼかりす」という表記が使用されている。
歌詞とユーザーが歌った音声を入力すると、それを真似るように歌唱合成システムである「ボーカロイド」に歌わせるというシステムである。
ボーカロイドは一般にも大ヒットしたヤマハの歌唱合成システムであるが、一方で、自然に歌わせるためには非常に細かな制御データの入力が必要であり、使いこなすにはかなりの熟練を要する。
「ぼかりす」はこれを簡単に行う事を目的としたもので、人間が歌って「手本」を示す事により制御データの入力を自動化する。特に生成結果の歌声と元の歌声との比較を行い制御データの生成部へのフィードバックを掛ける事により飛躍的に精度を高めた事が特徴である。
2008年に「ぼかりす」の研究成果が動画サイトなどで公開された際には「人間と判別がつかない」と大きな反響が生まれた。同時にボーカロイドでもここまでやれるのか、と腕に覚えのあるユーザーが類似のシステムを開発したり手作業で高品質データを作ったりと活発な活動の引き金となった。
「ぼかりす」の実用化の形として、ネット上のサービスである「Netぼかりす」が実験的に運用されている。「Netぼかりす」では、歌詞とユーザーの歌声のファイルを送るとボーカロイドの制御データとして返送されるという形式を取る。
2012年10月、ボーカロイドのプラグインソフトウェアとして商品化された。
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