2012/11/09 (2012年11月 のアーカイブ)
KVR DC'12 の変わったモノ
KVR DC'12の各エントリーが出揃って私もぼちぼちチェックしてます。
http://www.kvraudio.com/kvr-developer-challenge/2012/
上位にきそうなのは「ThrillseekerXTC by Variety Of Sound」、「Transient by Sleepy-Time Records」、「Proximity by vladg/sound」 あたりですかねえ。
そんな中で、「これはいったい何だろう? 」と一見してわからないものもあるわけですが、理解してみれば面白かったりします。
まあ軽い所から・・・
「Sound Rider by Polygon Audio」
まずこれを動かすには最新のDirectXをインストールする必要があります。WIndows7の素の状態では動きませんでした。
http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=35からインストールできます。
それで、これは何かと言うと3Dのスペアナで上の図みたいなのがぐりぐり動きます(YoutTubeに動画が上がってるのでそれを見るとイメージがつかめるかと思います)。マウスで視点の操作ができるんですが難しくてなかなか思うように動かせなかったりします。実用上の意味を問われると今はまだなんとも言えませんが、シリアスな方向としてはスペクトラムの見せ方としてこういう表示だからこういう事がわかる的なものを見つけられれば凄く意味のあるものになるかも知れません。そういうものがなければ開き直って音ゲー的なものにするという方向でも良いんですが。
http://www.youtube.com/watch?v=hpFtur1JDRI
そしてこれ
「VST Plugin Preset Match by Christian Budde」
これはプラグインではなくWindowsで動くアプリです。ただ、私の所ではどうしても起動時にエラーが出て動かせていません。
何をするものかというと、「あるプラグインの設定をいじって別のプラグインと同じ結果が出るようにする」という事を自動的に行うものです。何だかよくわかりませんね。
例えば謎のフィルタープラグインがあるとします。これをリファレンスとしてグラフィックEQプラグインのパラメータを自動的に調整して同じ特性を作る。なんて事を目指しているようです。もちろんフィルターだけじゃなくて例えばディストーションの歪み方なんかも視野に入れているという事なんですが・・・。
開発者自信もまだ実験的なもので完全なものではないとは言ってるのですが、本当にできたら凄い。というかできるの? という疑問も出てきますが、これを作っている人はVST Analyzer とかVSTの特性を測定するソフトなんかを書いてるので根拠なくやってるわけではなさそうです。「ミカンにリンゴのふりをさせる事まではできないからね」とか言ってますので、可能な限り特性を近づけるという意味では確かに解はありそうです。なかなかのチャレンジじゃないかと思います。
最後にこれ
「Inspiration by Musical Entropy」
これもプラグインではなく Win/Macで動くアプリです。最初動かしてみてもさっぱりわからなかったのですが、要するに曲を作る時にランダムにアドバイスを与えてくれるアプリという事です。例えば上の画面では「不安定なメトロノームトラックを使ってみろ」とか出てます。こんな感じで「オープンチューニングを試してみたら?」とか「3/4拍子!」とか適当な事を言ってくれます。
ジョークソフトなの? と思うかも知れませんが、これはブライアン・イーノが使っていた「Oblique Strategies」という、抽象的な言葉が書かれたカードを引きながら曲を作ってゆくという手法を応用したものという事です。純正のOblique Strategiesに加えて追加のメッセージセットの切り替えなんかもできます。
役に立つかどうかは使う人次第ですけど、行き詰った時に一枚引いてみる、なんてやってみてもいいかも知れません。意外なブレークスルーができるかもですよ。使う人次第ですけど。
これ、KVRのフォーラムでは「気に入ったよ!」て言ってる人が結構いるみたいです。
英語とフランス語に対応しています。
Posted by g200kg : 2012/11/09 21:50:54