2013/10/30 (2013年10月 のアーカイブ)
W3C文書の翻訳の手順
W3C文書(Web Audio APIのドラフト) http://www.w3.org/TR/webaudio/ を翻訳しかけているんですが、手続き的な所が良くわかってなかったのでメモ。
まずW3Cの"INTELLECTUAL RIGHTS FAQ"のページで翻訳についても触れられています。 http://www.w3.org/Consortium/Legal/IPR-FAQ-20000620#translate
そして翻訳をしようと言う人のための情報ページとして"W3C Translations"のページがあります。 http://www.w3.org/Consortium/Translation/
それから翻訳に関わる人のメーリングリストとして、"w3c-translators@w3.org"というメーリングリストがあります。 アーカイブはhttp://lists.w3.org/Archives/Public/w3c-translators/、W3Cのメーリングリストの扱い方はhttp://www.w3.org/Mail/のあたりです。
手順としてはこんな感じです:
W3C Translationsのページはすでに存在する翻訳を検索できるようになっていますので、まず既存の翻訳がない事を確認します。
FAQでTechnical Report(TR)以外の文書では、まず文書のAuthorかEditorに許可を得るという事が書かれています。それ以降はTRと同じ流れです。(翻訳しようとしたWebAudioAPI仕様はDraftだけど、一応TRなので多分必要ないのにEditorのcwilsoさんにメールしてしまいましたけど..)
メーリングリストw3c-translators@w3.orgで翻訳したい文書がある事を宣言します。なおメーリングリストはsubscribeするとメール経由の確認手続きが行われますが、その後モデレータの承認があるまでメールを出しても配布されません。これには数日かかるようです。「もうあるよ」とか「誰かがやりかけてるよ」みたいなのはここで教えてくれるようです。
メーリングリストで問題がなければ翻訳する事になりますが、翻訳版には元文書へのリンクとか正式文書は英語版である事とか幾つかの表示義務があります。詳細はINTELLECTUAL RIGHTS FAQに書かれています。
翻訳版の置き場所はどこでも良いようですが、出来上がったらメーリングリストでURLをアナウンスします。
とこんな所ですかね。まだできてないですけど。
なお、W3Cに翻訳版のデータベースがあるんですが、これは今はTRのRecommendation、いわゆるW3C勧告でAuthorized Translationというかなり厳格な手続きを踏んだものだけが登録されるようです。
W3Cとしては翻訳する対象としては頻繁に更新されるドラフトでなく完成版であるRecommendationを推奨していますが必要があればドラフトを翻訳してもよいです。流れ的には、
Working Draft(WD)
↓
Candidate Recommendation(CR)
↓
Proposed Recommendation(PR)
↓
Recommendation(REC)
となるんですが、こうやって見ると Web Audio API もまだ先は長いですね。まだ元文書で抜けている部分もありますし。
Posted by g200kg : 2013/10/30 18:12:42