偏ったDTM用語辞典
ASIO アジオ
サウンドドライバーの規格の名前。プラグインの VST 規格と同じく独スタインバーグ社が提唱している。ASIO ドライバーを使う事により、PC を使って音楽制作をする時に問題となる音の入出力の遅れ(レイテンシー)を小さくする事ができ、Windows での音楽制作用のサウンドドライバーの方式として広く普及している。
なお、Mac では OS9 までは Mac用 ASIO ドライバーが存在したが、OS X 以降、OS 本体によってサポートされた CoreAudio によって ASIO と同等の低レイテンシーが実現され、ASIO 自体が OS X をサポートしなくなったため、現在 ASIO は Windows 専用のドライバー規格となっている。
RME や M-Audio、Roland など音楽制作用のオーディオ I/F ならほぼ全ての製品がこの規格に対応している。逆に Creative 社のサウンドブラスター系などのゲームなどでの使用をメインターゲットとしたオーディオ I/F では ASIO 対応を謳っていても、安定性の面などで実装が怪しい場合がある。
ASIO ドライバーはオーディオ I/F などのハードウェアメーカーがそれぞれのハードウェアに対応したものを配布しているが、オンボードサウンドなどの ASIO 非対応のデバイスを ASIO 化するためのフリーのドライバー、「 ASIO4ALL 」というものも存在する。ただし、特定のハードウェアに向けてチューニングされたものではないため、環境によっては動作が不安定な場合もある。
Windows で ASIO と同様の低いレイテンシーを実現する手法としては、他に WDM/KS や Windows Vista 以降で採用された WASAPI があり、DAW アプリケーションなどでは通常、使用するドライバーを切り替えられるようになっている。
なお読み方については海外 BBS 等でも稀に話題になる場合もあるが、公式な発表は見あたらない。人によって「アジオ」「アシオ」「エイジオ」「エーエスアイオー」などの違いがあるが、主観的な判断としては「アジオ」が通じやすい。